- まえがき
- 第1章 「手のかかる子・幼稚な子」指導スキル32
- 1 親子関係を把握する/ハード編
- 2 親子関係を把握する/ソフト編
- 3 成育歴を把握する/ハード編
- 4 成育歴を把握する/ソフト編
- 5 登校しぶりをする/ハード編
- 6 登校しぶりをする/ソフト編
- 7 すぐ泣く子/ハード編
- 8 すぐ泣く子/ソフト編
- 9 すぐいじける子/ハード編
- 10 すぐいじける子/ソフト編
- 11 じっとできない子/ハード編
- 12 じっとできない子/ソフト編
- 13 奇声をあげる子/ハード編
- 14 奇声をあげる子/ソフト編
- 15 後片付けができない子/ハード編
- 16 後片付けができない子/ソフト編
- 17 行動が遅い子/ハード編
- 18 行動が遅い子/ソフト編
- 19 何でも許可を求める子/ハード編
- 20 何でも許可を求める子/ソフト編
- 21 すぐに保健室に行きたがる子/ハード編
- 22 すぐに保健室に行きたがる子/ソフト編
- 23 鼻くそをほじる子/ハード編
- 24 鼻くそをほじる子/ソフト編
- 25 性器いじりする子/ハード編
- 26 性器いじりする子/ソフト編
- 27 不衛生な子/ハード編
- 28 不衛生な子/ソフト編
- 29 おもらしをしたとき/ハード編
- 30 おもらしをしたとき/ソフト編
- 31 嘔吐・鼻血が出たとき/ハード編
- 32 嘔吐・鼻血が出たとき/ソフト編
- 第2章 「気になる子・やんちゃな子」指導スキル24
- 1 すぐ叩く・蹴る子/ハード編
- 2 すぐ叩く・蹴る子/ソフト編
- 3 暴言や悪口を吐く子/ハード編
- 4 暴言や悪口を吐く子/ソフト編
- 5 威張る・仕切る子/ハード編
- 6 威張る・仕切る子/ソフト編
- 7 人の嫌がることをする子/ハード編
- 8 人の嫌がることをする子/ソフト編
- 9 ものをとる子/ハード編
- 10 ものをとる子/ソフト編
- 11 嘘をつく,ごまかす子/ハード編
- 12 嘘をつく,ごまかす子/ソフト編
- 13 不要物を持ってくる子/ハード編
- 14 不要物を持ってくる子/ソフト編
- 15 ルールを守って遊べない子/ハード編
- 16 ルールを守って遊べない子/ソフト編
- 17 勝ち負けに異常に拘る子/ハード編
- 18 勝ち負けに異常に拘る子/ソフト編
- 19 すぐに先生に言いつける子/ハード編
- 20 すぐに先生に言いつける子/ソフト編
- 21 お手付き発言が多い子/ハード編
- 22 お手付き発言が多い子/ソフト編
- 23 ごめんなさいが言えない子/ハード編
- 24 ごめんなさいが言えない子/ソフト編
- 第3章 「学習規律・生活規律」指導スキル16
- 1 座り方を教える/ハード編
- 2 座り方を教える/ソフト編
- 3 聞き方を教える/ハード編
- 4 聞き方を教える/ソフト編
- 5 話し方を教える/ハード編
- 6 話し方を教える/ソフト編
- 7 並び方を教える/ハード編
- 8 並び方を教える/ソフト編
- 9 気をつけ・礼を教える/ハード編
- 10 気をつけ・礼を教える/ソフト編
- 11 返事・あいさつの仕方を教える/ハード編
- 12 返事・あいさつの仕方を教える/ソフト編
- 13 整然と整列,移動させる/ハード編
- 14 整然と整列,移動させる/ソフト編
- 15 トイレの使い方を教える/ハード編
- 16 トイレの使い方を教える/ソフト編
- あとがき
まえがき
再び,こんにちは。堀裕嗣です。
「学級経営すきまスキル」に続いて,「生徒指導・生活指導すきまスキル」の刊行です。これまた,小学校低学年版・高学年版・中学校版を編集させていただくことになりました。今回もまた,宇野弘恵・大野睦仁・山下幸の三氏に編集のご協力をいただきました。心強い三氏です。
本シリーズの最も大きな特徴は,それぞれのスキルの解説が「ハード編」「ソフト編」の二つに分かれているところです。少なくとも僕らはそう思っています。本書ではこの「ハード」と「ソフト」の書き分けが,前著の「学級経営……」よりもわかりやすいとも感じています。
生徒指導・生活指導ならば,「ハード」は生徒指導的になりますし,「ソフト」は教育相談的になります。前者は厳しい指導で,後者は優しい指導と言っても良いでしょうし,前者は教師主導の指導で,後者は子ども主体の指導であると言い換えても良いでしょう。少し難しい言葉を使うなら,前者は「規律訓練型」の指導と言えますし,後者は「環境管理型」の指導と言えます。もちろん,学校教育の具体的な指導ですから,完全にどちらかに分けるなんてことはできません。その意味ではこの段落に多用した「的」とか「型」とかという接尾語が絶対にはずせません。
時代は来たるべき道徳の教科化,アクティブ・ラーニング,そして「深い学び」にまっしぐらです。学校現場もそのための教育課程の整備に大忙しです。しかし,そういうときこそ,実は子どもたちが置いてけぼりになる。そんな印象があります。新学力観のときも,ゆとり教育のときもそうでした。「心の教育」のときも,「学力向上路線」のときもそうでした。長年この仕事をやっていると,その矛盾に心が痛みます。どんな理想の教育が語られようとも,どんな時代にあっても,子どもたちにとっては学校は「生活」の場であって,「理想を実現する」場ではないわけですから。
教師が理想を追わなければならないときほど,そう焦らなければならないときほど,子どもの実態と乖(かい)離(り)しないように自らを戒めなければならない,時代に流され翻弄されるだけの自分にならないように足下に目を向けなければならない。そんなふうに思います。
生徒指導・生活指導はまさに,そんな学校現場の足下を対象としています。子どもたちが学校生活を送るうえで最低限必要なこと,時代が変わっても生活をするうえで出てこざるを得ない現象,教育課程が変わっても必ず存在する学校定番の行事で起こり得るトラブル,そんなことを対象としています。これらをうまく裁けない,これらをうまく機能させられない,そんな教師の現実が「理想の教育」の足を引っ張ります。そんなことにならないために,少しでも力になれば……。そう思って生徒指導・生活指導の「すきま」を集めてみました。みなさまの教師生活に少しでも役立つなら,それは望外の幸甚です。
/堀 裕嗣
コメント一覧へ